正座すると膝がズキッと痛むみたいで…
体育の時間も、座る動作になるとつらそう‥
オスグッドと診断されたあと、こうした悩みを持つ親御さんは多いです。
日常の中で“正座できない”というのは思った以上に不便で、
「このままずっと正座できないの?」「自然に治るのを待てばいいの?」と、
つい“様子見”になってしまいがち。
でも実は、正座できない状態を放置しておくことで、回復が長引いてしまうこともあります。
この記事では、
✅ オスグッドで正座ができなくなる理由
✅ 放置しても大丈夫なケースと注意が必要なケース
✅ 正座できるようになるためのケアやストレッチ
について、医療現場での経験をもとに、わかりやすく解説していきます。
「うちの子、このままで大丈夫かな…」
そんな不安を少しでも軽くするヒントになればうれしいです。
なぜオスグッドで正座ができなくなるの?
オスグッドになると、膝のお皿の下あたり(脛骨粗面)が出っ張ってきて、そこに痛みが出ます。
この部分は、太ももの筋肉(大腿四頭筋)がスネの骨にくっついている場所。
正座をすると、このスネの出っ張り部分が床やふくらはぎに押しつけられてしまい、強い痛みが出るのです。
また、正座は膝を深く曲げる姿勢のため、太ももの筋肉がさらに引っ張られて、
そのぶんスネの骨の付着部に負担がかかり、痛みを感じやすくなります。
つまり、正座ができないのは、
「痛みに敏感になっている場所を圧迫しながら、さらに引っぱっている」状態だから。
これはオスグッドの子どもにとってはかなりつらい動作で、
無理に正座を続けてしまうと、炎症を長引かせる原因にもなりかねません。
👉 「正座できない=悪いこと」ではありません。
できないのは、身体が「今は負担をかけないでほしい」と教えてくれているサインです。
正座ができないのは、
「痛みに敏感になっている場所を圧迫しながら、さらに引っぱっている」状態
放置しても自然に治る?注意すべきポイントとは
オスグッドは「成長が止まれば自然に治る」とよく言われます。
確かに、成長期が終わって筋肉や骨のバランスが安定してくると、痛みが出にくくなるのは事実です。
でも、“正座できないほどの痛み”が続いている場合、ただ待つだけでは時間がかかりすぎることも。
なぜなら、正座ができない=炎症がまだ強く残っているサインだからです。
さらに、次のような場合は要注意です:
⚠️ 放置NGのサイン
- 膝の出っ張りがどんどん大きくなってきている
- 痛みで体育や部活を休むことが増えている
- 正座だけでなく、階段やしゃがむ動作でも痛い
- 夜や朝起きたときにも痛みを感じる
これらに当てはまる場合は、ただ様子を見るのではなく、
ストレッチやケアで「炎症の負担を減らすこと」が大切になります。
もちろん、重症度によっては医療機関での相談も必要になるケースも。
「正座できないのはいつまで続くんだろう…」と不安に思ったときこそ、
早めに対処することで、長引かせずにすむ可能性が高まります。
放置NGサインが当てはまる場合、ただ様子を見るのではなく、ストレッチやケアで「炎症の負担を減らすこと」 が大切。
重症度によっては医療機関での相談も必要
正座できるようになるためにできるケアとは?
正座ができないのは、オスグッドによって膝下に炎症が起きていたり、
太ももの筋肉がガチガチに硬くなっていることで、
スネの骨にかかる負担が増えている状態です。
そこで大事なのが、「太ももへの負担を減らすケア」です☝️
以下の3つを意識して取り組んでみましょう。
✅① 太もも(大腿四頭筋)のストレッチ
正座に関係する筋肉の中でも、特に大切なのが太もも前の筋肉。
ガチガチに硬くなっていると、正座時にスネの骨を強く引っ張ってしまいます。
おすすめは、オスグッドLaboでも紹介している「横向きで行うストレッチ」。
痛みを避けながら、安全に筋肉をゆるめることができます。
👉 [横向きストレッチのやり方はこちら]


✅② 正座に近い姿勢の“ゆるめトレーニング”
いきなり正座を目指すのではなく、
「膝を軽く曲げた姿勢」に少しずつ慣れていくことも大切です。
たとえば、
・柔らかいクッションの上で「正座もどき」の姿勢を数秒キープしてみる(痛くない位置で!)
・お風呂の湯船の中でゆっくり膝を曲げていく(痛くない位置で!)
など、
“できる範囲で慣らしていく”アプローチがおすすめ。
無理せず、痛みのない範囲で少しずつ膝を曲げる感覚に慣れていくと、
痛みが和らいできたときにスムーズに正座へ近づけます。
✅③ 痛みが強いときは一時的なアイシングも
運動後や、どうしても痛みがつらいときは、
膝下の出っ張り部分を10〜15分ほどアイシングして、炎症をおさえましょう。
ただし、冷やせば治るわけではないので、
「一時的な痛みケア」として使うのがポイントです。
ストレッチ+少しずつの慣らし+一時的なケアをうまく組み合わせて、
焦らずゆっくり、「正座できる体」に戻していきましょう😊
👉【アイシングの詳しいやり方はこちらから↓】


まとめ
「正座できない=悪化してる」ではありません。でも…
オスグッドで正座ができないのは、
「膝下の炎症がまだ続いているサイン」でもあります。
無理に正座させたり、放置して様子を見るだけでは、
かえって回復が遅れてしまうこともあります。
でも大丈夫。
しっかりとケアをしていけば、
時間はかかっても少しずつ正座できる状態に近づいていけます。
大切なのは、
「できないこと」よりも、「どうしたらできるようになるか」に目を向けること。
お子さんの今の状態を受け止めつつ、
少しずつケアを続けていく中で、変化はきっと見えてきます。
「うちの子、ちゃんと治るかな…?」と不安に感じたときほど、
この記事の内容が、親御さんの心を軽くするヒントになれば嬉しいです。