膝を曲げるとズキッ…正座もしゃがむのもツラい。
成長期の子どもに多い「オスグッド病」では、膝の曲げ伸ばしで強く痛みを感じるケースが少なくありません。
部活や遊びでよく動く子ほど、「なんでこんなに痛いの?」と不安になるものです。
この記事では、
膝を曲げたときに痛みが出る原因と、自宅でできるケア方法をわかりやすく解説します。
また、症状が重いケースの対応や、病院に行くべきタイミングも紹介。
すでにオスグッドと診断された方も、「まだ病院に行くほどじゃないかな?」という方も、ぜひ参考にしてください。
膝を曲げると痛い…それ、オスグッドが原因かも?
「しゃがむと痛い」
「正座ができない」
「ジャンプの着地でズキンとくる」
こうした膝の痛みが、膝のお皿の下あたりに出ている場合、それは「オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)」の可能性があります。
オスグッドは、成長期の子どもに多く見られる膝の障害で、脛骨(けいこつ)と呼ばれるスネの骨の上端が炎症を起こして痛むのが特徴です。
特に、膝を曲げる動作――しゃがむ・正座・ジャンプ・階段の上り下りなど――で強く痛むことがあります。
これは、膝を曲げるときに**太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)**がスネの骨を引っぱり、その繰り返しによって骨と腱の付着部にストレスがかかるからです。
骨がまだ成長途中の子どもは、このストレスに耐えきれず、炎症や痛みを引き起こしてしまうのです。
痛みの程度には個人差があり、「少し違和感がある程度」で済む子もいれば、「曲げるだけで激痛」という子もいます。
ポイントは、「膝のお皿の下が痛むかどうか」と「膝を曲げる動作で痛みが出るかどうか」。
「膝のお皿の下が痛むかどうか」
と
「膝を曲げる動作で痛みが出るかどうか」
この2つが当てはまる場合は、オスグッドの可能性を疑ってみましょう。
痛みの原因は“筋肉の引っぱり”と“使いすぎ”
オスグッドの痛みが強くなる原因は、大きく分けて**「筋肉の引っぱり」と「使いすぎ」**の2つです。
この2つが重なると、膝の曲げ伸ばしで強い痛みが出やすくなります。
1. 大腿四頭筋の“引っぱり”
太ももの前にある**大腿四頭筋(だいたいしとうきん)**は、膝を伸ばすときに使う筋肉です。
この筋肉は、スネの骨(脛骨)の出っ張り(脛骨粗面)に付着していて、運動や成長によって筋肉が硬くなると、付着部が強く引っぱられます。
この「骨の成長に筋肉の柔軟性が追いつかない」というアンバランスが、オスグッドの痛みを生み出す大きな要因です。
2. 繰り返しのジャンプや走行で“使いすぎ”
サッカーやバスケ、バレーなどのジャンプ・ダッシュが多いスポーツでは、膝への負荷が繰り返しかかります。
これが筋肉や腱、骨にとっては「小さな負傷」のような状態になり、やがて炎症や痛みに繋がります。
特に「練習量が急に増えた」「休む間もなく毎日運動している」などの場合、回復が追いつかず痛みが悪化することがあります。
膝を曲げると痛いときの、自宅でできるケア方法
膝を曲げると痛みがあるときは、まず無理をせず休むことが大前提です。
そのうえで、自宅でできる以下のケアを取り入れてみましょう。
1. アイシング(冷却)
痛みが強いときは、1回15〜20分程度、膝のお皿の下を冷やすと炎症を抑える効果が期待できます。
運動後やお風呂上がりなどにアイシングを取り入れると◎。
保冷剤をタオルで包み、皮膚に直接当てないよう注意しましょう。

2. 太ももの前側ストレッチ
オスグッドのケアで重要なのが、大腿四頭筋の柔軟性を高めること。
硬くなった筋肉をやさしく伸ばすことで、スネの骨への引っぱりが和らぎ、痛みの軽減につながります。
特におすすめなのは、横向きで行う大腿四頭筋ストレッチ。
立位よりもバランスが取りやすく、痛みの出にくいやさしい方法です。詳しいやり方は、以下の記事で解説しています:

3. 無理のない範囲での安静
「痛いのに我慢して動き続ける」と、状態は悪化します。
かといって完全に動かさないと、筋肉が固まり回復が遅れることも。
大事なのは、「痛みが出ない範囲で軽く動かす」こと。
体育や部活は一時的に休むか、運動強度を落とすなどの工夫をしましょう。
病院に行くべきタイミングと重症度の見分け方
オスグッドの痛みは、自宅でのケアで改善するケースもありますが、次のような場合は整形外科など専門医の診察を受けることをおすすめします。
■ こんなときは病院へ!
- 膝を少し曲げただけでも強く痛む
- 正座やしゃがみ動作がまったくできない
- 膝の下の骨が大きく腫れてきた
- 痛みが長期間(2週間以上)続いている
- 安静にしていても痛みが引かない
これらは、オスグッドが進行しているサインかもしれません。
特に、骨が出っ張ってきたまま硬くなっている場合は、無理を続けることで長期化や後遺症のリスクもあります。
■ レントゲンや診断で“安心”を得ることも大切
成長痛や打撲との見分けがつきにくいときは、病院でレントゲン検査を受けると明確になります。
「ただの成長痛かな」と思っていても、骨に異常がある場合もあるので、自己判断せずに専門家の意見を聞くことは大きな安心につながります。

【まとめ】膝の曲げ伸ばしで痛いなら、早めのケアを
膝を曲げると痛い…そんな症状があるときは、オスグッド病の初期サインかもしれません。
原因の多くは、太ももの筋肉の硬さと膝の使いすぎ。無理を続けると、痛みは悪化してしまいます。
まずは、
- アイシングで炎症を抑える
- 太もも前のストレッチで柔軟性アップ
- 安静にして膝に負担をかけない
といった基本的なケアを丁寧に続けることが大切です。
そして、痛みが強い・長引く場合は、迷わず病院で診てもらいましょう。
早めの対処で、子どもたちはまた思いっきり体を動かせるようになります。
「膝を曲げると痛い」そんな悩みに、この記事が少しでも役立てばうれしいです!